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2026/02/25 22:54:17
 

 

Greensheetは、フュージョン・ワールドワイド(Fusion Worldwide)が毎月発行する電子部品サプライチェーン全体の重要な動向をハイライトする市場レポートです。 7月号では、CPUGPUIC、受動部品など複数の製品カテゴリーにわたる関税のボラティリティとその影響にスポットライトを当てています。また、現在進行中の貿易摩擦、半導体生産のシフト、中国の政策変更による市場の混乱に対する顧客とサプライヤーの反応についても検証しています。サプライチェーンのダイナミクス、価格圧力、製造投資などのより広範な洞察により、2026年のグローバルソーシング戦略がどのように進化していくかについての将来的な見通しを提供します。

 

本レポートは、弊社の情報源から収集された市場情報に基づいて作成されています。

 

製品最新動向:The Greensheet 2026年2月号

 

 

主要なテーマ

    • メモリ危機が「決済あと値決め」時代へ移行:DRAM/NAND危機は、供給不足という従来の問題にとどまらず、取引条件の構造的な見直しへと発展しました。大手メーカー(Samsung、SK Hynix、Micron)は、より短期のキャンセル不可・返品不可(NCNR)契約において「決済あと値決め」条項を適用し、顧客に対し納品後の市場価格差額の支払いを義務付けています。これにより価格の確実性は事実上失われ、最終価格は将来の製品出荷時点でのみ決定されることになります。
    • 自動車業界がメモリとディスクリート部品に対する供給の危機に直面:自動車業界のティア1メーカー(トヨタ、デンソー、マレリ、Bosch)は、eMMC、LPDDR4/5、そしてレガシーDRAMにおいて深刻な供給ギャップを抱えていると報告しており、上述部品メーカー各社は車載グレードの信頼性よりもAIサーバー向け利益率を優先しています。同時に、Nexperiaのサプライチェーンの分断化により、On SemiとVishayの緊急認定が迫られていますが、これらの代替製品のリードタイムは生産能力の逼迫により40~52週間にまで延びています。
    • ストレージサプライチェーンの崩壊と戦略的EOL:SeagateとWDは、2026年分のHDD供給能力が100%完売したと報告しており、大容量ドライブのリードタイムは2028年まで延びる見込みです。メーカーは、低容量ドライブ(1TB~4TB)のサポート終了(EOL)や、利益率の高い製品への切り替えを優先するSSD生産制限など、積極的な移行を促しています。エンタープライズ向けストレージにおいて深刻な供給ボトルネックが発生しています。
    • GPUとネットワーク製品のボトルネックがインターコネクトとレガシーノードへ移行:Blackwell GPUの需要は依然として高いものの、ボトルネックはMellanoxネットワークカード(ConnectX-7/8)とMellanox NICへと移行し、リードタイムは50週間以上を超えています。Finisarの光トランシーバーも重大な制約要因として浮上しています。H200の中国向け輸出規制は、MCX75310AAS-NEATのような規制適合インターコネクトのスポット市場を不安定にさせ続けています。
    • Tガラス基板不足が製品カテゴリー横断的な受注キャンセルを引き起こす:Tガラス基板とガラス繊維クロスの深刻な不足が、アナログ、FPGA、CPU各セクターで供給不足を引き起こしています。Analog Devices(ADI)はLT8シリーズの受注を取り消し、IntelはCPU価格10~20%値上げの理由としてこれを挙げており、またLattice Semiconductorは、リードタイムが44週間を超えているため、新製品導入(NPI)需要に対応不能となっています。ボトルネックの根底にはAI需要があり、NVIDIAによるTガラス基板の消費が供給を圧迫しています。これにより生じた下流供給不足は、複数の半導体カテゴリーにわたりウェハ生産能力不足よりも深刻な制約となっています。

 

 

製品の最新動向

集積回路(IC):価格上昇と原材料不足

    • Analog Devicesは、電源およびシグナルチェーン製品ポートフォリオ全体で15~30%の値上げを実施しています。リードタイムは24~40週間に延長され、旧正月期間中に自動車顧客向けの特定受注キャンセルが報告されています。
    • Texas Instrumentsの受注リードタイムは6か月(180日)に延長されまています。TIはより厳格な見積もりプロトコルを適用し、価格提示前に詳細なエンドユーザーデータとプロジェクト計画の提出を求めており、これにより自由市場での購入が事実上停止となっています。レガシーICと電源ICについては、10~30%の値上げが実施されています。
    • Nexperiaの供給状況は依然として深刻です。マレーシア/フィリピンでの生産のリードタイムは30~44週間に拡大されています。自動車関連顧客は供給割り当てを確保できず、2025年後半の発注分が2026年後半に延期されています。価格は約10~15%上昇すると見込まれます。
    • InfineonとOn Semiは、Nexperiaからの需要溢れを吸収しているため、リードタイムが30~52週間へと倍増しています。Infineonは4月1日からの値上げを発表し、ON Semiは中国楽山工場のウェハ生産能力の逼迫に直面しています。
    • XilinxのSpartan-7およびLatticeのデバイスのリードタイムは、AIサーバーの需要によるパッケージングとガラス繊維原材料の消費拡大により、8週間から32~52週間へと急増しました。
    • ソニーは、CMOSセンサーIMXシリーズの供給不足が2026年4月から始まると予測しており、一部のディストリビューターへの供給はわずか10%にとどまっています。ガラス基板(日東紡)のグローバルな供給不足により、2027年までの生産量は需要の70%に制限されています。

 

CPU(サーバー、デスクトップ、組込み):構造的な供給不足とファウンドリへの移行

    • Intelサーバー(Xeon)のSapphire RapidsおよびEmerald Rapidsの供給不足は依然として続いています。Intelは、2026年3月29日より12~20%の価格引き上げを発表しました。組込み向け10nmプロセス部品(Elkhart Lake、Raptor Lake-E)のリードタイムは2027~2028年まで延長され、一部の供給割り当ては完全にデコミットされています。
    • AMDサーバー(EPYC)のGenoaおよびTurinシリーズは、2026年まで完売状態が続いています。予約リードタイムは不透明で、AMDがハイパースケーラー向けAIプロジェクトを優先しているため、特定の高コア数SKU(9555P、9654P)の供給が8か月以上遅れる可能性があります。
    • Intelは、3月下旬からデスクトップCPUのリベート削減と約10%の価格引き上げを実施しています。スモールコア (Nシリーズ) の供給は逼迫した状態が続き、頻繁に受注キャンセルが発生しています。

 

 

GPU(データセンター、消費者、ワークステーション):供給割り当ての縮小と流通経路の混乱

    • NVIDIA Blackwell (RTX 6000/5090) サーバー版は、25%の価格上昇が見られ、一部では8,300ドル~8,800ドルに達するオファーもあります。消費者向けRTX 5090の供給は、GDDR7メモリの供給不足により制約されています。
    • NVIDIA RTX 4000/5000 Adaのリードタイムは依然として長期化(48~52週間)しており、Blackwellへの注力に伴い生産が縮小されたことで、価格が5~10%上昇しています。

 

 

メモリ(DRAM、RDIMM、LPDDR、eMMC):ダイナミックな価格設定と供給割り当ての崩壊

    • 納品後に市場価格に基づいて最終価格が調整される、新たな「決済あと値決め」モデルが登場し、すべてのリスクが買い手に転嫁されます。
    • DDR5 RDIMM 64GBの契約価格は前四半期比75~125%急騰しています。スポット価格は2,300ドルから3,000ドル以上となっています。SamsungはOEMメーカーに対し、DIMMの価格を前月比110%の値上げを提案しています。ハイパースケーラーは2030年まで延長する長期契約(LTA)を締結しており、少なくとも2027年まで従来のOEMや自動車業界は事実上締め出されています。
    • DDR3/DDR4の供給不足により価格上昇が見込まれ、2027年の供給割り当て状況は2026年よりも悪化するとの見通しです。
    • 深刻な供給不足が8GBおよび16GBの車載グレードeMMCに影響を及ぼしています。SamsungとMicronは事実上見積もりを停止し、リードタイムを2027年まで延長しています。一方、SanDiskは、顧客に対し、2026年の要求割り当て量のわずか15~20%を計画するよう指示しています。生産能力がレガシーメモリや標準DRAMから、AIアクセラレータに使用されるより利益率の高いHBM3E/HBM4へと再配分されたため、レガシーeMMCの価格は3倍に跳ね上がっています。
    • Scandiskの低密度eMMC、特にSDINBDG4-8G-ZA2とSDINBDA6-64G-ZA1の需要が急増しています。リードタイムは現在26週間に延長されています。

 

ストレージ(SSD、HDD、NAND、NOR):2026年分の在庫が完売

    • エンタープライズSSDの価格は前四半期比で50~90%上昇しました。SolidigmとSamsungは毎週価格改定を実施しています。
    • SeagateとWDの2026年分の供給は100%完売しており、一部の契約は2028~2030年まで延長されています。
    • Seagateは1TB~5TBの2.5インチBarracudaドライブのサポート終了(EOL)を計画してます。一方WDは、低容量ドライブの見積もりを拒否しているため、12TB以上のドライブへの移行を余儀なくされています。
    • WDの大容量HDD(18TB~24TB)のリードタイムは3か月から54週間と見込まれています。
    • MicronのNORフラッシュメモリの供給は逼迫しています。生産能力が限られているため、リードタイムは2026年後半まで延長される見込みです。
    • メーカーは利益率の向上を目指し、ファブの生産能力をQLC(クアッドレベルセル)からTLC(トリプルレベルセル)へとシフトさせており、ハイパースケールストレージで使用される高密度QLCドライブの供給不足が顕著になっています。

 

ネットワーク製品:サポート終了(EOL)の波とスイッチの納品遅延

    • Mellanox ConnectX-7のリードタイムは2~4週間から20~50週間に延長され、ConnectX-8も同様の制約に直面しています。
    • Broadcomは、現在の52週間のリードタイムが「始まりに過ぎず」、3/5/7nmプロセスの生産能力不足により、2027年に供給制約がさらに深刻化すると警告しています。
    • Coherent(Finisar)は、400G/800Gトランシーバーのリードタイムを6か月延長し、一部の部品の供給は2028年まで延期される予定です。マレーシアと中国での生産は、新規受注を積極的に制限しています。

 

受動部品と原材料:Tガラスのボトルネック

    • 旧正月明けのMLCC供給不足が予想され、リードタイムは16週間以上に延長されます。タンタルコンデンサのリードタイムは40週間を超えており、ベンダーは利益率の低い製品ラインに対する生産中止の可能性を警告しています。
    • Tガラス基板材料の供給制約は、ADI、Intel、Lattice、ソニーにとって現在、主要なボトルネックとなっています。ガラス繊維クロスのリードタイムは4週間から20週間に延長され、受注キャンセルやファウンドリへの切り替えを余儀なくされています。
    • Latticeのリードタイムは現在非常に逼迫しています。44週間未満のリードタイムで発注された注文には、特急料金が適用されます。
    • 自動車業界の顧客は、Vishayのウェハに関する潜在的な問題を調査しており、Nexperiaダイオードの供給不足を埋めようと苦闘する同社にとって、リスクはさらに増大しています。

 

 

サプライチェーンに関するニュース

    • Meta、複数年にわたるAIインフラ契約でNVIDIAのGPUおよびCPUを数百万台確保:NVIDIAとMetaは、Metaが自社のグローバルデータセンター全体にNVIDIAのAIチップを数百万個導入し、大規模人工知能インフラ向けにGPU、CPU、ネットワーク製品の長期供給を確保するという、複数年にわたる拡大契約を締結しました。この契約には、NVIDIAのBlackwell GPU、次世代Rubin GPU、スタンドアロンGrace CPU、将来のVera CPU、ネットワークシステム、セキュリティ技術が含まれます。
    • NVIDIAの中国向けAIチップ販売、米国の安全保障審査により停滞:ドナルド・トランプ大統領が輸出を承認してから2か月近く経った今でも、NVIDIAのH200 AIチップの中国向け販売は、ワシントンからの最終承認を待ったままです。これは、米国政府が中国の顧客にライセンスを付与する前に、国家安全保障審査を実施しているためです。
    • Western Digital、2026年分のハードディスクを既に完売:Western DigitalのCEOであるIrving Tan氏は、同社が「2026年分のハードディスクをほぼ完売」したことを確認しました。Western Digitalはさらに、年間を通して供給量の大部分を確保する確固たる購入注文を交わしており、ある顧客と2028年までの契約を既に締結していることを発表しました。

 

メーカーニュースと最新情報

    • GlobalFoundriesとルネサスエレクトロニクス株式会社は、半導体サプライチェーンの強化と複数地域にわたる生産能力の拡大を目的とした、数十億ドル規模の製造契約を通じた戦略的提携の拡大を発表しました。[情報源:GF]
    • On Semiの第4四半期売上高は、主要2事業部門が前年同期比で売上減少を継続したため減収となり、製品ポートフォリオの主要分野における持続的な弱さが浮き彫りとなっています。[情報源:On Semi]
    • Texas Instrumentsは、Silicon Labsの買収合意を発表し、買収は2027年上半期に完了する見込みです。製造の国内回帰を目指す本移行は、今後24か月間にわたり、両社の顧客に供給混乱と統合課題をもたらす可能性があります。[情報源:TI]
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