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2024/05/08 10:06:44
 

グリーンシートは、IC、CPU、ハードウェア商品のサプライチェーン全体にわたる動向に関する弊社のマンスリーマーケットレポートです。最新レポートから重要なポイントを紹介します:  

  • 台湾の地震により、メモリ市場の生産が一時的に停滞しました。しかし、その後ビジネスは再開され、第2四半期の価格による取引が可能になりました。 
  • ハードウェア市場ではリードタイムが長くなり、顧客はより有利な取引を求めて他の調達先に目を向けるようになっています。 
  • 顧客がより有利な価格を求めていることもあり、新シリーズへのアップグレードと移行がCPU市場の需要動向を牽引しています。 
  • 新シリーズの発表や製品変更が、IC市場に変化と需要の波を引き起こしています。 

先月、電子部品サプライチェーンの停滞が大きかったことにより、需要に予期せぬ変動が生じました。このような停滞に2024年に継続中の価格変動が重なったことで、来四半期の供給在庫が安定しない可能性があります。 

市場の動向については、以下レポート全文をご一読ください。 

 

 

 

メモリ  

台湾の地震によりメモリ市場が停滞 

202443日に発生したマグニチュード7.2の地震により、台湾に拠点を置く多くのメーカーの生産が一時的に停滞しました。ディストリビューターがすでに大口顧客向けの在庫を保有していたため、小規模なサプライヤーが滞留在庫を抱えることになりました。 

新四半期の開始により価格がすでに変動していたため、この地震は、メモリ商品のサプライチェーンに集中的な影響を与えました。DDR4の価格は20%、大容量DDR5の価格も17%上昇する見込みです。市場価格は毎日のように変動しており、コストを抑えて部品を調達することは困難です。需要は主にDDR532GB64GBの容量に集中しており、DDR4の取引はわずかに低下しました。 

 

台湾の地震によりMicron製品の価格が大きく変動 

Micronは台湾の地震で大きな影響を受けたメーカーのひとつであり、同社の見積もりは長期にわたって中止となりました。見積もりが再開された現在、LPDDR4DDR4の価格は20%も上昇しました。LPPDR5DDR5の価格は、約25%上昇しました。 

メモリの需要はそれまで安定していたため、顧客らは、地震で生産が停滞する前に値上げを予想していました。リードタイムはあまり変動しておらず、一定の需要がある製品では6週間から8週間です。価格上昇と共にリードタイムは延長傾向にあり、このような例では12週間 (3ヶ月) を超えているとの報告もあります。 

 

 

 

ハードウェア 

SamsungとSolidigmのSSD価格が10%から30%上昇 

SSD市場では、主にNAND型フラッシュメモリの価格上昇が、製品全体の価格を押し上げています。台湾の地震が状況をさらに複雑にし、サプライチェーンに不確実性をもたらしたため、サプライヤーは価格設定と出荷を一時的に停止せざるを得なくなりました。 

メーカーが自社施設への影響を完全に評価した現在、見積もりは再開され、価格も震災前の予想通り上昇しました。 

Solidigm SSDの価格は4月に10%上昇し、市場レポートによれば、5月も価格上昇が継続するとのことです。ディストリビューターから入手した暫定的な市場情報によれば、SamsungSSD価格は20%から30%上昇する見通しです。 

 

HDD市場は供給不足とリードタイムの延長で苦戦 

ベンダーが10TB以上の大容量ドライブの受注を増加し、4月はHDD需要が上昇しましたが、特に中国市場の上昇が顕著です。この傾向は、より有利な価格でHDDの供給を確保したい顧客を市場に引き寄せました。市場の余剰在庫が枯渇した現在、顧客らは、将来の需要に向けて在庫状況を合わせるために、ディストリビューターチャネルに戻ってきました。その結果、SeagateWestern Digitalは、HDDの価格を5%から10%引き上げました。 

12TBから18TBSAS HDDは、メーカーが既存のTier 1顧客の注文を優先しているため、供給が不足しています。こうした供給不足は、リードタイムの長期化や価格の上昇と相まり、エンドユーザーにとって難題となることが予想されます。Seagateのような大手メーカーの生産能力制限という負担が加わることで、大容量ストレージソリューションの供給問題がさらに悪化し、小容量ストレージにも間接的な破壊的影響を及ぼすことが予想されます。 

 

データセンターのGPU割当獲得に苦戦するディストリビューター 

AIトレーニングに注力する企業が、GPU市場における最大の需要動向を牽引し続けています。ディストリビューター各社は、データセンター向けGPUモデル、特に人気の高いGeForce RTX 40シリーズについて、割当が制約されていると報告しています。GPUチップセットの不足でリードタイムが伸びており、Nvidiaは最近、10%の値上げを発表しました。 

さらに、暗号通貨のトレンドもGPU需要の急増に寄与しています。RTX 30シリーズの受注は、着実に増加してきました。2024年後半にGeForce RTX 50シリーズが発売されれば、RTX 40と同様に、このシリーズの供給はさらに変動する可能性があります。 

 

 

 

中央処理装置 (CPU) 

予期せぬ需要と原材料不足がIntel PCシリーズの供給を制約 

AMDPC向けCPU市場の取引は、ハイエンドのRyzen 9 7950X、Ryzen Threadripper PRO 5995WX、およびRyzen 9 5950xに限られており、第2四半期最初の1か月のPC市場は比較的低調でした。 

しかし、予想外の需要増により、特定製品の供給が逼迫する状況も見られました。この流れは、AIに焦点を当てたIntelの最新製品、Meteor Lake Mobile CPU HシリーズであるUltra 7 155Hおよび165HSKUに影響を与えました。 

このような予想外の傾向に加え、Intel Meteor Lakeシリーズに使用される原材料の確保が困難であることから、在庫と市場需要との間に不均衡が生じています。一部のTier 1相手先商標メーカー (OEM) では、割当リードタイムが最大8週間に達しています。今後数週間で、さらに多くの顧客が同じ課題に直面することが予想されます。 

 

第12世代Alder Lakeおよび第13世代Raptor Lakeの値下げを願う顧客 

12世代Alder Lakeおよび第13世代Raptor Lakeを中心とした、IntelデスクトップCPUに関する値下げの問い合わせが増加してきました。この傾向は、4月に承認された価格が予測ほどではなかったことから顕在化しました。IntelのデスクトップCPUの価格は、世界的にほぼ同水準にあります。このため、ディストリビューターとOEMの間に価格差はほとんどなく、値下げをがより困難になっています。 

顧客らがディストリビューターやメーカーから直接、少しずつ調達しているため、AMDのモバイルCPUの取引は安定傾向です。 

 

サーバー市場の需要は顧客のアップグレードと移行に集中 

サーバー CPUの市場取引は、IntelIce LakeSapphire Rapids、AMDGenoaシリーズを中心に、少しずつ回復しています。IntelCascade Lakeの需要と価格は下落傾向にあり、在庫圧力によりベンダー各社は部品を売り捌こうと躍起になっています。 

マーケットレポートによると、IntelOEMに対して、第3世代Ice Lakeおよび特定の第4世代Sapphire Rapidsの特別価格を撤廃することで、第5世代Emerald Rapidsへの移行を促しているとのことです。すべてのTier 1顧客が影響を受けたわけではないものの、中規模のサーバー構築の一部はその影響の矢面に立たされており、値下製品を求めて市場に参入する顧客が相次いでいます。現在のトレンドは、Gold 63XX、64XX、Platinum 83XX 84XXに集中しています。 

AMDについては、RomeシリーズとMilanシリーズの需要は以前は安定していたものの、顧客がGenoaシリーズに切り替えているため、現在は取引が減少しています。 

 

 

 

集積回路 (IC) 

NXPが中国市場に特化した新製品ポートフォリオを構築 

2023年第4四半期、NXPC-lineと呼ばれる製品ポートフォリオを発表しました。これは、高品質なソリューションの提供に焦点を当て、中国市場向けに特別に構築されたものです。NXPがこのプログラムをOEMに初めて導入したのは、同社の現地化戦略を推進し、サプライチェーンの回復力を向上させるためでした。 

C-line製品には、中国市場向けにカスタマイズされたOSCCA互換のセキュリティ機能が搭載される予定です。この機能の変更により、NXPC-line製品が中国政府とMIITの承認リストに追加されることを望んでいます。 

最初に発売されるのは、KEA (S9KEA)、MagniV (S12Z)、およびS32K3 (FS32) MCUファミリです。C9KEA20243月に発売され、C912Zは今四半期にリリースされる予定です。初回生産分のFS32ファミリーは、第3四半期に登場する予定です。 

NXPのウェブサイト、C-lineウェブページは、中国のIPアドレスを持つ者だけがアクセスできるようになっています。同メーカーは、S-lineからC-lineシリーズへの移行は、部品番号の変更、具体的には「S」の文字が「C」に変更されるのみと述べています。この変更は、特定の地域に関連する製品に影響を及ぼし、世界貿易や地域間貿易に悪影響を及ぼす可能性があります。ノーブランド版S-line製品の供給は、市場でさらに制約を受ける可能性があります。 

 

Xilinxが主要製品の変更を発表 

Xilinxは、XC9500XL、CoolRunner XPLA 3、CoolRunner II、Spartan II、Spartan 3、3A、3AN、3E、3ADSP コマーシャル/インダストリアル「XC」および車載向け「XA」製品ファミリーの販売終了を発表しました。この決定は、ランレートの低下とサプライヤーの持続可能性への懸念に起因しています。販売終了製品には、代替可能な製品はありません。主な日程と注文情報は次のとおりです: 

  • 最終購入日 (LTB):最終注文は2024629日まで受け付けられるものの、在庫状況により購入できない場合があります。 
  • キャンセル不可、返品不可 (NCNR):NCNR条件は、2024430日以降の未処理注文に適用されます。 
  • 最終出荷日 (LTS):最終納品は、20241228日までに行われることとします。 
  • 返品承認 (RMA):品質上の問題に基づくデバイス交換リクエストは、2025627日が最終期限となります。
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