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2025/02/18 16:55:57
 

Greensheetは、フュージョン・ワールドワイドが定期的に発行する電子部品サプライチェーンにおける重要な市場動向をまとめたレポートです。2月号では、7つの製品グループに関する市場の最新動向の詳細と、アナログ・デバイセズ、マキシム、インテル、AMD、エヌビディアなどの主要メーカーに関する洞察を提供します。 さらに、進行中の米中貿易摩擦の潜在的な影響についても考察致します 

本レポートは、弊社の情報源から収集された市場情報に基づいて作成されています。 

製品の最新動向 

CPU(中央処理装置) 

  • AMDサーバーCPUの価格が上昇、デスクトップCPUの価格が下落:AMDの第4世代GenoaサーバーCPUの価格は、今四半期に上昇すると予想されています。一方、9800X3DのデスクトップCPUの価格は、1月末の9950X3Dの発売により下がると予想されています。
  • Sapphire Rapids(サファイアラピッズ)のリードタイムが延長:顧客から供給不足といった報告を受け、Sapphire RapidsXCCMCCモデルのリードタイムが延長しています。
  • Raptor LakeモバイルCPUが供給不足に直面:1340P、1360P、13620Hを含むインテルの第13世代Raptor LakeモバイルCPUの供給は依然として厳しい状況となっています。地政学的な出来事による影響は供給をさらに逼迫させ、5月まで供給制約が続くと予想されます。

GPU(画像処理装置) 

  • Jetson Orin NX 16GBの供給問題:リードタイムは1216週間に延びており、10月からのバックログは未だに解決されていません。需要の急増から供給制約が発生、在庫は依然として限られており、一部のサプライヤーは3月まで見積もりを中止しています。供給不足にもかかわらず、市場は需要が安定するにつれて、こうした課題の解決に注力しています。
  • RTX 5090の発売を前に消費者向けGPUに対する供給不足への懸念:RTX 4090 GPUの供給不足は、サポート終了日(EOL)が近づくにつれて懸念されていますが、多くの顧客は、RTX 5090の発売を目前に控え、追加在庫を抱えることをためらっています。
  • エヌビディアのBlackwell RTX500は第2四半期までに発売予定:初期出荷は3月か4月と予想され、正規ルートでのバンドル販売を通じてのみ供給されることになります。価格は、以前移行時のものよりも競争的になる可能性が高いと見なられますが、Ampere(RTX 30シリーズ)からAda Lovelace(RTX 40シリーズ)への移行時の価格に対して、市場がそのような急騰に否定的な反応を示したため、エヌビディアは新型モデルの価格をそれほど高く設定しないと予想されます。
  • デスクトップGPUの予約リードタイムに苦慮する顧客:情報筋によると、インテルのARCグラフィックスシリーズは供給不足に陥っているとのこと。顧客は、予約のリードタイムが確定しておらず、インテルに注文をロードする必要があるものの、割当のアップデートを待つしかないと報告しています。
  • エヌビディアのARMベースチップの需要傾向:エヌビディアのARMベースGH200 Grace Hopperサーバーの需要はx86ベースシステムを上回る可能性が高く、DRAMの価格設定に影響を与える可能性があります。2025年第1四半期は需要が低迷すると予想されます。

RDIMM(サーバ・ワークステーション用メモリ) 

  • DDR4への需要拡大:DDR4DDR5の価格差が大きいため、特に低スペックを必要とする非AIプロジェクトでは、顧客はDDR4を選択する傾向にあります。DDR4 3200スピードモジュールの需要は引き続き旺盛なものの、メーカーがDDR4の生産を50%削減したことで供給ギャップが生じています。価格は上昇する見込みで、2月には17%上昇するとの報道もあります。
  • DDR5の価格は引き続き軟調に推移DDR5の価格は旧正月明けに58%下落すると予想されています。スポット価格は依然として契約価格を下回っており、在庫回転率は低下しています。
  • DDR5スピードへの需要移行:4800スピードモジュールへの関心は薄れつつあり、一部のモデルではEOL通知が出されています。一方、6400スピードモジュールは、対応CPU(インテルGranite Rapids、AMD Turinなど)が限られているため、供給制約が続いています。
  • 大容量DDR5モジュールへの需要が旺盛:96GBおよび128GB DDR5モジュールの需要は、低容量オプションを大幅に上回っており、大容量ソリューションを好む傾向があることを反映しています。

SSD(ソリッドステートドライブ) 

  • 1四半期のSSD市場で大幅な値下げの見込み:エンドマーケットの需要減退を背景に、第1四半期には1桁台後半、時には10%を超える大幅な値下げも見込まれます。
  • サプライヤーが在庫移転のためディスカウントを促進Tier1サプライヤーは在庫を移動するため積極的に商品のディスカウントを行い、デフレ環境の中で顧客に購入してもらえるよう促進しています
  • エンドユーザーがさらなる値下がりを前に在庫を処分:短期的な需要が引き続き多くの取引を生んでいるものの、エンドユーザーはさらなる値下がりを見越して供給を動かしています。
  • デフレが定期的な短期取引を促進:デフレ環境にもかかわらず、値引きと短納期の需要は安定した取引につながります。
  • キオクシアが積極的な値下げで価格下落:他のブランドと同様に、キオクシアの価格も、最近のIPOと大幅な値下げによる収益増加の取組の影響を受けて、下落傾向となっています。
  • ソリディグムがコンシューマーSSD市場から撤退:ソリディグムはコンシューマーSSD市場から撤退し、エンタープライズSSDに特化し、製品の優先順位の戦略的転換を示しています。

DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ) 

  • サムスンがDDR3のサポートを終了:サムスンはDDR3の受注を停止し、DDR4の生産に専念しています。残りのDDR3の需要は、SKハイニックス、マイクロン、および新興ブランドのナンヤやCXMTなどのサプライヤーに移行しています。DDR4チップを生産できる中国メーカーは、DRAM全体の価格をさらに引き下げると予想されます。
  • マイクロンが製品変更通知を発行:マイクロンは202512月までにDDR4の生産を終了し、最終購入(LTB)は20246月まで利用可能になります。
  • DDR5市場は減速し、第1四半期の価格は横ばい:SKハイニックスD5の供給は若干制限されていますが、この傾向により需要が大幅に急増したり価格が上昇したりすることはありません。D5モジュールの市場は引き続き軟調に推移しており、需要の安定によりほとんどのプルインが行われたことから、第1四半期の価格は横ばいになると予想されます。

HDD(ハードディスクドライブ) 

  • HDDメーカーがAI主導の需要に備える:データ処理に大容量ドライブが不可欠なハードドライブメーカーは、AIデータ要件による大容量化の需要拡大に対応するため態勢を整えています。
  • シーゲイト、東芝、WDHDD容量拡大へ:シーゲイト、東芝、ウエスタン・デジタル(WD)の3社は、2025年に発売される新モデルでHDD容量を増やし、低容量ドライブ(2 8TB)に影響を及ぼしています。これら小型モデルのリードタイムはすでに大幅に増加しています。報道によると、シーゲイトの新価格は旧正月明けに適用され、エンタープライズドライブでは約1520%、デスクトップドライブでは約10%の値上げになるとのことです。

コンデンサとトランジスタ 

  • ケメットとビシェイがリードタイムの長期化に直面:ケメットとビシェイのコンデンサのリードタイムは、1416週間から20週間に延びています。エヌビディアの高需要がビシェイMOSFETを遅らせており、リードタイムが36週間を超えるものもあります。現在、顧客は代替品を求めてオープンマーケットに目を向けています。
  • ダイオーズがMOSFET生産を減速:需要の低迷による生産減速により、一般的でない部品のリードタイムが1820週間に延長されました。古い在庫はまだ入手可能かもしれませんが、新規生産は限られています。
  • ニチコンがコンデンサ供給を中断:ドイツメーカーの破産により電解紙の供給が滞り、日立の産業用製品に使用されるニチコン製コンデンサの生産が制限されています。今のところ、主要モデルは入手できません。

メーカーニュースと企業の最新動向 

  • アナログ・デバイセズとマキシムが継続的な供給問題に直面:アナログ・デバイセズが単一の正規代理店モデルと独自のECプラットフォームに移行する中、ADI/リニア・テクノロジーとマキシムのリードタイムについて信頼性および価格設定が問題となっています。報道によると、以前のリードタイムと見積価格は無効になっており、価格は10%から30%上昇しています。これらの変化により、顧客は代替メーカーを探そうとしています。
  • インテルが市場シェア低下に直面:インテルは、データセンターチップの収益が引き続き低下しているため、急速に市場シェアを落としています。新しいデータセンターでは、インテルのx86チップよりも、AMDARMベースのアーキテクチャやカスタムチップ設計を採用するケースが増えています。PCゲーム市場では、Steam DeckやレノボLegion Goなどのデバイスでも、AMDまたはARMベースのプロセッサを採用しています。
  • ラティスが全面的な値上げへ:2024年第4四半期においては、FPGAメーカーのザイリンクスとインテル/アルテラが価格を上げしました。ラティスもこれに追随し、11日より製品ポートフォリオ全体で10%の値上げを実施しました。顧客からは、在庫水準の上昇がこれら変更による影響緩和のための対策を講じる上でバリアとなっていると報告があり、関心は依然として高いままです。
  • マイクロンが遅延とリードタイムの延長に直面:マイクロンへの注文はメーカーからの大幅な遅延に直面しており、リードタイムは68週間とかなり長くなっています。これは、旧正月前に在庫を調達しようとしているディストリビューター に影響を及ぼします。
  • エヌビディアが新たな市場記録を樹立:エヌビディアは先月、ジェンセン・フアンCEOのCES講演を前に株式市場の新記録を樹立し、AI分野でのリーダーシップをさらに強固なものにしています。Blackwellをめぐる話題が同社の地位を高め続ける一方で、次世代チップ設計であるRubinの最新情報を待ち望む声も多かったのです。しかし、Rubin2026年まで開発される見込みがないため、Rubinに関するニュースは今年後半まで封印される可能性が高いとみられます。
  • マイクロソフトがWindows 10のサポート戦略を転換へ:202510月にWindows 10サポート終了というマイクロソフトの計画は、消費者のデバイスのアップグレードに伴うPC需要を促進すると予想されます。しかし、市場全体の成長予測に与える影響はまだ不透明です。Windows 10のサポート延長が可能になることで、行政や学校、企業などが古いマシンをリフレッシュする緊急性が緩和される可能性があります。
  • ソニーがセンサーコストの高騰と関税の懸念に直面:ソニーの車載用センサー、特にBYD製品に使用されているISX031モデルのコストが23倍に高騰しています。顧客は、米国次期大統領選挙後に予想される関税引き上げを緩和するために、注文を増やしています。

サプライチェーンの動向 

  • 2期目のトランプ政権は関税の不確実性をもたらす:ドナルド・トランプ大統領が2025120日に就任した後、米国の関税は見直され、引き下げよりも引き上げの可能性が高まっています。そのため、企業は電子部品全体のコスト上昇の可能性に備えています。
  • 中国が輸出規制を発表:12月初旬、中国は特に米国をターゲットに、民間および軍事目的のデュアルユース用途の技術に関する輸出規制を実施しました。今回の更新は、アンチモン、ガリウム、ゲルマニウムの輸出禁止に加えて行われるものです。技術戦争が続く中、中国は2025年の米国の関税に対応して、EV用バッテリーに使用される鉱物に対する規制を拡大する可能性もあります。
  • メーカー各社が緩和戦略を策定:関税の変更や原材料価格の変動を見越して、企業はサプライヤーを多様化し、備蓄を増やし、中国への依存度を減らすための代替調達への投資を行っています。

2025年の電子部品サプライチェーンの見通しについて、より深い洞察をご希望の方は、フュージョン・ワールドワイドの『業界動向レポート Vol.3』を今すぐご購読いただき、市場回復の傾向、市場の変動、今後の展望などの情報入手にお役立てください次回のリリースもぜひお見逃しなく 

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