Global Electronic Component Supply Chain Resources

THE GREENSHEET 2022 年 4 月号

作成者: Fusion Worldwide - JP|2022/04/25 12:42:05
 
全般

すべての主要サプライヤーが偶発的なサプライチェーンの混乱の影響を受ける

グローバルサプライチェーンは四半期ごとに連続的混乱見舞われています。直近では20221四半期日本きた2つの地震国内のさまざまなメーカーに影響えましたアジアの主要ハブは新型コロナウイルス感染症急増により操業停止余儀なくされロシアがウクライナに侵攻して戦争誘発、域内のサプライチェーンリソースが断絶しました

その結果、グローバルサプライチェーンにおいてサプライヤーの在庫増や価格高騰、リードタイムの長期化が生じています。

 

 

IC

大規模な供給不足によるIC生産への影響が続く

大手集積回路(IC)サプライヤーは需要の高まりを受け、自動車関連の受注を優先しています。しかし、工場の人手不足や原材料不足など、深刻な供給不足が生産ラインを圧迫しています。影響を受ける部品として、STMicroelectronics、Infineon、MicrochipのパワーマネージメントおよびアナログIC、アナログ信号変換器、MOSFETなどが挙げられます。Infineonのリードタイムは、平均48週間から60週間に増加しました。

 

STMicroelectronicsの納品は2022年第4四半期以降になる見込み

2四半期、STMicro4月以降の全製品ラインの15%値上げを発表しました。これにより、原材料、エネルギーおよび物流のコストの高騰で既存の在庫に支障をきたしています。

さらに5月には、生産終了となるSTM88ビット)MCUシリーズが2530%の追加値上げを予定しています。同シリーズは第3四半期までに生産を終了し、STM3232ビット)シリーズが代替品となります。ただし、STM32は納期遅延の影響を受けており、顧客は同部品を搭載するための基板設計のやり直しが必要になります。すべてのシリーズの納品は、2022年第4四半期または2023年第1四半期に延期されます。

 

マイクロチップ、全製品の値上げを実施

マイクロチップは、5~40%までの幅広い値上げを軒並み実施し、平均10%の値上げとなりました。現在のリードタイムは最大50週で、新規の注文については1年間の納期でNCNR(キャンセル不可および返品不可)となっています。マイクロチップの推奨サプライヤープログラムに参加しても全配分保証されない事例多数ありその不足分50にもると報告されていますこのことからプログラムに参加しない場合供給ギャップはさらにきくなるといえるでしょう


Vishay Intertechnologyのリードタイムが1年以上に及ぶ

中国上海にあるVishayの2つの工場では、新型コロナウイルス感染症による強制的なロックダウンと労働力の制限により、操業に影響が出ています。影響が出ているのは、MOSFET製造工場とダイオードを製造する小規模工場です。

Vishayの物流および選別工場における隔離制限はMOSFETとダイオードの製造に影響を及ぼし、顧客の受注を妨げています。このため、4月中まで供給ギャップが生じることが見込まれています。

現在、車載MOSFETのリードタイムは75週で生産量の割り当てが困難となっています。最も顕著な影響を受けているのがSI943シリーズです。標準抵抗器のリードタイムは現在、最大100週(CRCWシリーズ)に達しています。薄膜抵抗器のリードタイムは50~80週、シャント抵抗器のリードタイムは最大80週です。

 

ルネサス エレクトロニクスの日本工場、地震による長期的な影響に直面

日本国内3つの工場、第1四半期発生した2つの地震影響けました。被害状況把握するために操業停止したことに起因する生産れにより、生産量支障をきたしています316発生した地震震源地近くにある3つの工場、那珂工場、高崎工場、米沢工場です

その後、すべての工場が操業を再開していますが、地震の影響は少なからずあります。那珂工場では、生産中であった仕掛品について一部で破損が発生しました。仕掛品の破棄や減産による損失は、200mm(8”)ウェーハー製造ラインで約2週間分、300mm(12”)ウェーハー製造ラインで約3週間分となっています。

生産損失について、高崎工場10日程度生産量、米沢工場2日分生産量相当します

 

オンセミの製造能力、2022年に向けてピークに達する

オンセミのリードタイムは50える状態いており2022製造能力最大となる中、改善しはありませんまた現在、米国EMEA顧客優先しているため、生産量てレベルもしくなっています。原材料価格上昇いていることから、第2四半期価格上昇予期されます

既存遅延オンセミは顧客保護目的とするシップ・アンド・デビットイニシアチブにおいて、顧客何千ものクレームにえてての承認めていますただし、人手するこのプロセスはなる課題こしており、全シリーズに影響ぼしています

 

一次冷却材サプライヤーが生産工場閉鎖

現地環境規制強化3Mはベルギーの半導体冷却材工場無期限閉鎖しましたこの工場チップ製造工程1つであるエッチングに使用される冷却水世界供給量80%以上めています

この措置は3月8日に実施され、3Mは3月18日にサムスン電子、SKハイニックス、TSMC、インテルなどの顧客に対して公式通知を送りました。この閉鎖市場ちに影響ぼすことはないもののメーカーは代替品必要があり、冷却材現在在庫13寿命推定されます

 

 

ストレージ

第2四半期複数のメーカーがSSD値上

第2四半期にSSDの値上げを推し進める要因となったのは、電源管理ICコントローラ不足です。大手ブランドはSSDの価格を5~10%値上げしています。この中にはサムスン、インテル、マイクロンも含まれます。

 

インテルとSSD事業のSolidigm、上海封鎖で生産に負担

Solidigmは、市場の混乱の可能性を減らすために、第2四半期と第3四半期を通してインテルの販売チャネルを使い続けていますが、インテルとSolidigmの両シリーズは、生産上の制約を受けています。

以下のIntel SSDラインは引き続き不足しています。

  • S4510
  • S4610
  • S4520
  • S4620

小容量のSSD(Intel 240GBと480GB)も極端に不足しています。

生産リソースはNVMeに集中していますが、メーカーがTier 1 OEMへの納入に注力しているため、SSDの顧客にとって市場の在庫は厳しく、価格も上昇しています。

また、以下のIntel/SolidigmシリーズにEOL(生産終了)通知が影響を及ぼす見込みです。

  • D3シリーズ(S4510、S4610) – 第2四半期以降
  • D5およびD7シリーズ(S4510、S4610、P4510、P4610) – 第2四半期後期以降
  • クライアントSSD(660P)シリーズ - 2022年後半以降

一部の部品は制限が多く、上海の労働節(5月1日)以降に発売される予定です。小容量SSDおよび大容量SSDが影響を受けます。

 

ハードドライブメーカー、物流コスト上昇と制裁を乗り切る

ロシア・ウクライナ戦争制裁措置による原材料不足物流コストの上昇ハードディスクドライブHDD)価格影響えています。第2四半期にはシーゲイトが34%、ウェスタンデジタルが5HDD値上げを実施しました。価格上昇する一方、需要鈍化しているため、欧州のベンダーでは過剰在庫となるケースもあります

1TBは生産終了を通知し、2TBは供給制約を受けるなど、低容量HDDの供給が制限されています。ただし、6TBや18TBなどの大容量HDDの供給はここ数か月で改善し、顧客にとって入手可能性は高まっています。

 

メラノックスの需要が供給を上回る

メラノックス製品の平均リードタイムは需要が供給を上回っているため、36週間と高い水準で推移しています。需要が高水準で推移しているため、MCX-6、MCX-5、MCX-4シリーズは供給ギャップが深刻化しており、顧客の選択肢は限られ、製品価格も高騰しています。4月以降、メラノックスは価格を25%引き上げ、生産制約によりリードタイムは1年以上に伸びています。

 

 

CPU

インテルのサーバーCPUの価格および供給が世界的な出来事の影響を受ける

新型コロナウイルスによる政府のロックダウンにより3月に深圳工場が操業を停止し、インテルのサーバー用CPUの価格は顕著に値下がりしました。これは、ベンダーが既存のIntel Cascade LakeおよびCascade Lake Refreshの供給在庫を積極的に減らしたためだと思われます。

2つのサーバーCPUシリーズはしい制約けていますがこれはロシア・ウクライナ戦争背景とした追加制裁により、第2四半期まで継続するとみられます。米国をはじめとする各国ロシアからの民生用電子機器、航空機部品、半導体などの輸出阻止するために制裁発動しています

 

インテルのイーサネットコントローラとチップセット、大幅な製品シフトを実施

インテルは、メーカーの製品ラインにおいて低価値部品であるイーサネットコントローラおよびチップセットの製造を優先していません。  既存のインテル イーサネットコントローラとチップセットは、TSCM社が製造する旧式の技術である45NMテクノロジーを用いています。

シリーズの生産量最小化、顧客最新のイーサネットコントローラのI225シリーズへの移行積極的めていますただし、最新のイーサネットコントローラI225シリーズは先行品とピン間接続ができないため、顧客はマザーボードの再設計必要となり、移行には時間がかかるとわれます。顧客シリーズから移行するには6ほどかかるとみられています

インテルは、以下のイーサネットコントローラ/チップセットシリーズのサポート終了を発表しました。

  • I350-BT2
  • I210-AT
  • I210-IT
  • I211-AT
  • I210-AS

·      82574Lギガビット・イーサネットコントローラ

·      82574ITギガビット・イーサネットコントローラ

·      82583Vギガビット・イーサネットコントローラ

 

·   82579Vギガビット・イーサネットPHY

·   82579LMギガビット・イーサネットPHY

また、以下の製品変更通知が様々なインテルのイーサネットコントローラにおいて実施されました。

 

注文のキャンセル・返品は次の日付の翌日以降無効となります:2021131

最終生産終了発送日:20221231

  • 対象製品/インテル注文コード:

製品コード

S SPEC

MM#

推奨代替商品コード

S SPEC

MM#

WG82574L

SLBA8

898552

WGI210AT

SLJXQ

925131

WG82574L

SLBA9

898553

WGI210AT

SLJXR

925132

WG82574IT

SLBAB

898555

WGI210IT

SLJXS

925133

WG82574IT

SLBAC

898556

WGI210IT

SLJXT

925138

WG82583V

SLGVC

903008

WGI211AT

SLJXY

925144

WG82583V

SLGVD

903072

WGI211AT

SLJXZ

925145

 

注文のキャンセル・返品は次の日付の翌日以降無効となります:2022422
最終生産終了発送日:20221022

  • 対象製品/インテル注文コード

製品コード

S SPEC

MM#

推奨代替商品コード

S SPEC

MM#

WGI211AT

SLJXY

925144

WGI210AT

SLJXQ

925131

 

 

 

KTI225LM

SLNNJ

99A57P

 

 

 

KTI226-LM

SRKTT

99AFMX

WGI211AT

SLJXZ

925145

WGI210AT

SLJXR

925132

 

 

 

KTI225LM

SLNNH

99A57N

 

 

 

KTI226-LM

SRKTS

99AFMW

 

注文のキャンセル・返品は次の日付の翌日以降無効となります:2022122

最終生産終了発送日:2022422

  • 対象製品/インテル注文コード:

製品コード

S SPEC

MM#

推奨代替商品コード

S SPEC

MM#

NHI350BT2

SLJ3Y

915804

NHI350AM2

SLJ3S

915801

NHI350BT2

SLJ3X

915811

NHI350AM2

SLJ3R

915809

WGI210AS

SLJXU

925139

WGI210IS

SLJXW

925142

WGI210AS

SLJXV

925141

WGI210IS

SLJXX

925143

 

生産終了製品の注文は次の期日の翌日以降キャンセル不可になります:2022430

最終生産終了発送日:2022930

  • 対象製品/インテル注文コード:

プラットフォーム

製品コード

S SPEC

MM#

モバイル

WG82579LM

SLHA5

909805

WG82579LM

SLHA6

909806

WG82579V

SLHA7

909807

WG82579V

SLHA8

909808

間もなくEOLとなるシリーズのオープンマーケットでの動きは活発で、入手可能な製品の価格は徐々に上昇しています。

 

 

GPU

ロシア・ウクライナ戦争による規制を理由にGPUの出荷が制限される

ロシアからのGPU需要は制裁により停止しています。その結果、サプライヤーは出荷できない在庫を抱えています。

中国上海広東省における新型コロナウイルスのロックダウンにより製造支障ているためGPU生産能力改善めそうにありません

 

米国中国から輸入するグラフィックカードの関税一時的撤廃

米国関税撤廃した結果、GPU価格1015%下がると予想されています。既存関税除外される部品にはPCグラフィックカードマザーボードそののハイグレードGPUまれます。除外対象202110から202212までの輸入品適用されるとじられています

 

 

完成品

EEPROM不足がトランシーバーの生産に影響

EEPROMプログラマブルメモリ部品の不足は、トランシーバーの生産に影響を及ぼしています。中国市場でトランシーバーの需要が急増していますが、限られた原材料、労働力の不足、EEPROMの生産不足により納期が遅延しています。EEPROM、マイクロチップ、STMicro、NXPのリードタイムは52週に達し、供給ギャップが予測されます。

トランシーバーメーカーであるフィニサーは、光通信部品やサブシステムの製造にEEPROMが欠かせません。しかしながら、EEPROM不足によりリードタイムが長期化し、30週間を超えています。85xxシリーズ8574と8536の部品が制約の影響を受けています。アジアやその他の地域でも、限定的な供給がより広範に行われるようになることで、デコミットが予想されます。